旬のページ:2002年10月

メランポディウム
キク科/メランポディウム属
非耐寒性 1年草
学名:Melampodium paludosum
原産地:メキシコ

旬のページを書くたびに言い続けた”暑い”の言葉も忘れるくらい涼しくなってきました。
秋の訪れを体で感じる今日この頃です。
そんな移りゆく季節の中、変わらず咲き続ける”メランポディウム”が庭に植わっています。

”メランポディウム”はキク科の1年草で、春から初夏に種をまくと、夏から秋にかけて
これでもかといわんばかりに、黄色い小さな花を咲かせます。
原産地はメキシコで、耐寒性はありません。



こうやって見ると立派な花に見えますが、実際は



こんな大きさです。



つぼみはこのように出来ます。
キク科の様子が出ていますね。

”メランポディウム”は簡単に受粉します。



受粉するとこのように花びらが落ちてきます。



そうして種ができます。



直径2mm程の種がひと花に10個程出来、地面に落ち、また来年芽が出てきます。
丈夫な植物で、忘れていても次の年には花を咲かせます。



よく見てみると、虫に食べられた跡があります。
端の方には“フン”もあります。



おとなりに植えられているセンニチソウはもっとひどい状態です。

庭の花だったら”しまった!”で済むのですが、私たち花の生産者にとっては、
育てて出荷する花がこのような事になったら大変です。
当然商品価値は”ゼロ”です。

花の農家に限らず、野菜、米、果樹や畜産まで、農家はいつも病害虫と戦っています。

最近メディアで取り上げられている農薬の話題は、私たちにとってとても深刻な問題です。
消費者の立場に立ってみれば、ひどい話だと思いますが、
同じ生産者として考えると、一概に否定は出来なくなってしまいます。

上のセンニチソウのように虫に食べられてしまったら、商品を出荷することは出来ません。
出荷出来なければ当然、収入もありません。
ですから私たちは、ロスを出来るだけ少なくするために、病害虫の防除をします。

防除の方法には色々ありますが、やはり手っ取り早いのは農薬の使用です。
こんな不景気な時代ですから、少しでも安価で効果の高い農薬を使用したくなるのは当然です。
実際小関園芸でも、農薬を使用しています。
農薬を使用すれば、とても綺麗な植物を出荷できるのです。

ですが農薬を使うことが良いとは思っていません。問題は環境、人体への影響です。
化学農薬は多かれ少なかれ悪影響を与えます。
虫が簡単に死ぬ薬は、例外もありますがほぼ人体、環境への悪影響が大きいと思われます。

現在は化学農薬に変わる、環境、人体へ影響を及ぼさない農薬も発売されています。
また、IPM(Integrated Pest Management)という方法で、ただ虫や病気を抑えるだけでなく、
発生しない環境を作ったり、先に手を打つ方法もあります。

ですが農薬に頼りきってきた日本の農業では、この方法を使うにはコストと時間が必要です。
無農薬の農産物が高価なのはここに問題があります。
だからニュースのような問題が出てくるのだと思います。
当然消費者に悪影響を及ぼすと知りつつ、農薬を使用する事は許されないことです。
生産者の殆どは、分かっているのです。

ですが、虫食いの野菜は売れません。
さてここで3択です。あなたはどれを選びますか?

1.見た目はとても綺麗で曲がりもない、農薬付けのふつうの値段のキュウリ。
2.虫食いがあり、ぐにゃぐにゃに曲がった、完全無農薬のふつうの値段のキュウリ。
3.虫食いは無いが少し曲がっている、無農薬の高価なキュウリ。

農薬のことを考えなければ、殆どの人が1を選ぶでしょう。
いまあなたの近くのスーパーに並んでいるのは、このキュウリだと思います。
私は2が一番良いと分かっていながら、1を選んでしまうかもしれません。

小関園芸では、口に入れない花や木々でもなるべく農薬を使わないよう心がけています。
ですからあまり儲かっていません(笑)。
ですが買っていただく方々が外見だけにとらわれている間は、
私たちの思いは通じないと思います。

見た目は悪いけれど安全で良い物が評価される時代が来れば、
私たちも農薬の使用をしなくなるでしょう。
消費者だけが、生産者だけが悪いわけではないと思います。
お互いがお互いのことを良く知り、良く考えなければいけないのではと思います。

私たちはこれから、安全な商品を提供し、このことをアピールしなければなりません。



食事中の虫を発見しました。
彼らはただ、一生懸命に生きているだけです。
私たちの思いとは全く別の世界で。



P.S.今回は少し難しい問題を取り上げてみました。
ご意見ご感想がありましたら、こちらへメールください。
ozengei@leaf.email.ne.jp
またこのような問題のHPはいっぱいあると思いますので、
興味のある方は検索サイトでのぞいてみてください。

    

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