シクラメン/ミニシクラメン

シクラメン/ミニシクラメン
弱耐寒性 多年草
科名 サクラソウ科
属名 シクラメン属
学名 Cyclamen persicum
英名 Florist's cyclamen, Cyclamen
花色 かがりびばな、ぶたのまんじゅう
原産地 地中海東部(出回り品は園芸交配種)
出荷形態

4号ミニ(11月~12月)
5号(12月)
5号3色咲き
5号紅白咲き
6号

耐寒性耐暑性耐陰性耐乾性病気害虫
普通
やや弱い
普通
普通
普通
普通

OZ-Plants 的シクラメン

冬の花シクラメン。街の景色が冬色に替わる頃、そのどこかでシクラメンを見つけることができます。
シクラメンについての育て方、選び方は、色んな人に聞いたり、本やホームページ上で見ることができます。
ここでは、OZ-Plantsの主力商品であるシクラメンについて、
OZ-Plantsとしての紹介を、分かりやすく、またはどっぷりとご紹介します!

このページで紹介する内容は、小関園芸的視点、見解で説明しております
他の方の説明と異なる内容もあるかもしれません。
この幅の広さが、ある意味シクラメンの醍醐味だと思います。

ここで説明することは、必ず正解ではありません。
色んな情報を見ていただき、ご自分に合うものを取り入れて頂きたいです

シクラメンについて(かんたん)

現在お店にならんでいるシクラメンは、原種のペルシクム(persicum)がもとになっています。
小関園芸ではその園芸品種である、ミニシクラメン(小輪系)4号鉢と、大輪系5号鉢を主に生産しています。
小関園芸では特殊な品種はあまり生産しておりません。

ミニシクラメン 4号鉢

シクラメン 5号鉢

OZ-Plants のシクラメン ここが違う!

①消費地に近い気候で生産しているので丈夫です
 小関園芸は標高80m、ほぼ盆地にあって消費地に近い気候です。
出荷されたシクラメンが届いても、環境の変化によるストレスをあまり受けません。

更に言えば、とても暑い夏を耐えてきていますので、夏越しがしやすいかも?

②追加肥料で+1ヶ月長持ち!?
 小関園芸のシクラメンは、出荷直前にゆっくり効く肥料を1個追加しています。
普通のシクラメンにはあまり無いと思います。(付いているものもあります)
この肥料により、肥料切れし始める1月下旬~2月頃でも、まだまだ肥料を与える必要はありません。

③水の見える底面給水鉢で水やりカンタン
 シクラメンでは今や定番の底面給水鉢。
水を株元から与えず下の”窓”から与えるだけで管理が楽になります。

小関園芸では更に、水の量が見える”シースルー”(半透明)の鉢を使用しています。
ナゼ必要か?

以前、小関園芸でシクラメンを購入された方とお話したとき…
「水が無くなったかどうか分からないんで、穴に指を突っ込んで確認するんだ」
ショックでした。
指、濡れますよね… 面倒ですよね…

そこで採用しているのが「シースルー鉢」です

左は水なし、右は水あり です
ぱっと見で水やりが必要かどうかわかります

最近のラインナップ

2020年ころから、従来の4号ミニ、5号の生産量を減らして

混色シクラメンの生産をメインにしています

シクラメンについて(どっぷり)

現在流通しているシクラメンのほとんどは、ヨーロッパ各国にて交配された園芸品種で、
原種は”シクラメン ペルシカム”(Cyclamen persicum)といいます。
 小関園芸にある原種。
シクラメンの原種は15~20種類存在するといわれ、それらの大半が
ヨーロッパ、アフリカおよび中近東の地中海沿岸地域に自生しています。
シクラメンの名前の由来は、ギリシャ語で螺旋を意味する”キクロス”(kyklos)といいますが、
どうやってシクラメン(Cyclamen)につながるかはわかりません。

シクラメンには高温、多湿をきらい、涼しい場所を好むという性質があります。
今でも原種が自生する場所の特徴は、山間部の森林、岩の裂け目や山の斜面のような
気温が低く、乾燥しているような所だといいます。
暑さを嫌うため、夏は葉を落として休眠します。

園芸品種でもかなり改良が進み、高温や多湿に強い品種も作られましたが、
基本的な性質はそのままで、日本で育てる時はやはり、冬にならないと旺盛な生育が望めません。
とはいっても、日本でのシクラメンの需要期が11~12月なので、9~10月の短い秋に
成長させなければならないため、現在では原種よりかなり高温に強く、
早く花が咲く品種が取り入れられられています。

ここから、シクラメンの生育に関しての説明を、小関園芸で生産している
5号鉢(パステル系)を例に説明します。
ただしシクラメンは他の植物と比べてかなり品種差、個体差がありますので、
示す数値などはあくまで平均値です。

シクラメンは種から育つことは、意外にも知られていないようです。
種の大きさは直径約3mmで、おおまかには球形ですが、色んな形のものがあります。
 種まき前になると、毎晩これを数えます。

種まきは10月中旬~11月中旬頃行います。小関園芸では
 30×20×5cmの木箱に、
 種まき用の土を入れて、
 穴を開け、
 種を播き、
 水をやって、
 箱を積み上げて、
 黒いビニールで覆って、
終了です。

発芽までの期間は30~50日です。

発芽するころにはすでに、球根は出来つつあり、葉の展開と共に成長します。
発芽後は棚の上に並べて、たまに液肥を与えます。

3月に入り、大半の苗の葉が
 4~5枚数えられるようになったら、
 3号ポットに植え替えます。

先にも述べたように、シクラメンは個体差がかなりあるので、生育の悪い苗は捨てます。
生育の悪い品種の場合、約半分の苗しか植え替えできません。

3号ポットの時は、上からのかん水で、乾きむらのないようあたえます。
植え替え後約50日で、固形の化成肥料を与えます。

6月になり、葉も茂り、
 葉がポットからはみ出るようになったら、
 5号の製品鉢に植え替えます。
小関園芸では底面給水専用の製品鉢を使います。

ここで少し、底面給水について説明します。
普通水やりと言うと、上からジョロやシャワーで水をかけることを言います。
シクラメンの場合も以前はその方法で、実際小関園芸でも以前は
上から水を与えていました。
その場合、一鉢一鉢、それぞれの乾き具合を気にしながら水を与えなければなりません。
おまけにとても手間がかかりました。
水がかかるので、湿度が高くなり、病気も発生しやすくなります。
生産出来る鉢数が少なく、ロスも多くなっていました。

その頃画期的なアイデアとして出てきたのが、底面給水システムです。
これは通常、上から下への水の流れを、下から上へとするものです。
実際は植木鉢の下に専用のヒモをたらし、下に貯まった水を毛細管現象を利用して
吸い上げます。鉢の下にはC鋼という樋があり、常に水を入れておきます。

このことにより、毎日の水やりの作業が、2~3日に1回になり、
水をまき散らかさないため、湿度も上がらず、病気の発生もかなり抑えることが出来ました.。
このシステムの導入後数年は、用土が底面給水に合わなかったり、出荷後に
お客様が上から水を与えた事による発病で、クレームになったりと、問題はありましたが、
用土の改良、底面給水システムがお客様まで知れ渡ったこともあり、
現在ではほとんどのシクラメンがこのシステムになりました。

お客様にも、水を下の部分に入れてくださいと言うだけで、何日も水を与えなくてもよく、
管理が楽になったと言われるようになりました。
現在では、ヒモの代わりに鉢自身が改良され、鉢の底に凸部がもうけられ、
そこに鉢土が入ることにより、水を吸い上げるシステムも出来ました。
小関園芸ではこちらの鉢を使用しています。

話を元に戻します。
製品鉢に植え替えられたシクラメンは、ここからつらい夏を過ごします。
暑さに弱いため、なるべく風を通し、それでもだめならハウス内にカーテンをし、日陰を作ります。

水は与えすぎると根によくないので、少なめの管理をします。
固形の肥料は、温度が高い時は普段より多くの養分を溶出しますので、
ぎりぎりの量のものを与えます。
何より、病気、害虫の駆除が大変です。
環境に配慮して、農薬をあまり使わないようにしています。
ですが、何もしないのは、病害虫を野放しにしているようなもので、
例えばシクラメンの葉や芽を食べる”ヨトウムシ”には、ハウスへの侵入を防ぐため、
成虫の入らない細かさの網をハウスの側面に張り巡らせます。

灰色カビ病という病気には、別の菌(人間、動物には無害)を散布します。
それでもどうしようもない時だけ、農薬を散布します。

夏は、大きな作業はないのですが、とても細かい心配りが必要になります。

ここからが一番気を使うところです。頃は10月から。
秋も深まり、気温も下がってくると、いよいよ開花です。
シクラメンは、開花のためにかなりの力を使います。ですから、それに合った
肥料を与えなければなりません。

ここで肥料について。
よく肥料について色々な本で”液肥”と”置き肥”が出てきますが、
どのように違い、どちらが良いのでしょうか?

”液肥”とは字の通り、液体の肥料です。
液体ですから、シクラメンは根から簡単に取り込めます。
ですから、肥料が不足している場合は即効薬として使うことができます。
しかし、取り込んでしまった後は何も残りませんので、こまめに与えなければなりません。
しかも、液肥の濃度が濃い場合、シクラメンが過剰に吸収してしまうので、
ひどい場合はシクラメンがしおれてしまうことがあります。

市販の液肥では、チューブを逆さに挿しておくとゆっくりと液が出てくるものもありますので、
このようなものなら良いでしょう。

一方置き肥ですが、これは主に固形の化成肥料のことを言います。
置き肥用化成肥料の色々
この粒をシクラメンの鉢土の上に置きます。
肥料の種類によって色々ですが、肥料は水分によって徐々に分解され、
その水分と共にシクラメンは根から吸収します。
分解までの期間は種類によって様々で、2~3日後から、長いもので30日後のものもあります。
ゆっくりと効いてきますので、粒の数さえ多くなければ効きすぎることもなく、
置いておくだけと作業が簡単というメリットがあります。
反面、肥料の溶け方には温度、湿度等のむらがあり、時間もかかりますので、
微妙なコントロールをするには難しいものがあります。

どちらが良いかと言われれば、どちらも良いと言えます。
実際小関園芸でも、両方の肥料を使っています。

一般家庭ではどうか?
液肥ならチューブタイプを差し込む、置き肥なら化成肥料のシクラメン用遅効タイプを置きます。

11月に入り、最低気温が5度を下回る頃、
 ハウスを閉め、
 暖房を入れます。

その頃から次々と開花します。

5号鉢で花数が7~15本、4号鉢ミニで15本以上になったら、出荷します。

出荷できる時期も色々で、5号鉢は11月末頃から、
ミニシクラメンにおいては11月の中旬から出荷できます。

出荷は主に市場に行います。
市場出荷の場合、5号鉢なら5個入りのケースに入れます。

このとき、色の組み合わせ、高さと品質を考えて出荷します。

先にも述べたように、シクラメンは個体差がとてもあり、
高さ、品質もばらつきがあるため、出荷作業はとても時間がかかります。
市場出荷の場合、大半は競り(オークション)にかかりますから、見た目が勝負になります。
流行の色、オリジナルの色を考えながら配色します。

色の数を考えるのも大変で、種まきが11月ですから、その前の出荷、
要するに、今出荷しているシクラメンは2年前の配色のデータを元に作られています。
流行の移り変わりの速い昨今、2年前のデータは使い物にならないことがままあり、
主に先読みで、どの色をどれくらい作るか考えます。

もちろん見た目だけでなく、品質が一番大事なのですが。

そんなこんなで、12月もクリスマスの頃には、大半の出荷が終わります。
 長い13ヶ月間が終わります。

が、すでに来年のシクラメンが芽を出し、次の作業を待っています。
終わることの無いメビウスの輪みたいな世界にいるのです。

こんな長い文章を読んでいただき、本当にお疲れ様でした。

これだけの事が述べられるわけですから、それだけ神経を使う植物なのです。

しかしご安心下さい。私たち生産者は、そんなシクラメンでもお客様が簡単に管理出来るよう、
細心の注意を払って生産しています。ただ、あるポイントをおさえていただくだけです。
そのポイントが、この下の説明です。

時間のある時にじっくりと読んでみてください!

シクラメンをお店で選ぶとき

シクラメンを買うときの選び方は、一口では言いあらわせなく、むずかしいものです。
基本的には値段の高いものは良いものなのですが、
たまに値段が高くても悪いものが並んでいたり、
逆に値段が安くても良いものがあったり、とても不安定です。

選ぶポイントはお客様の楽しみ方にもよります。

お店(お花屋さん以外の)に飾る、または来客のため自宅に飾る時、
ほんの数日だけ楽しめればよいという方の場合は、その時の見た目がよければ買いです。

しかし大半の方は、自宅で長く楽しみたい、または贈り物として、
もらった方に長く楽しんでいただきたいと思われるのではないでしょうか?

長く楽しめるシクラメンとは?

小関園芸でも、長く楽しんでいただけるシクラメン作りを心がけていますので、
そのポイントをご紹介します。

まず株全体ががっちりしていること。
葉の上に軽く手を乗せてみて、簡単に沈み込むようであれば、あまり良くはありません。
小関園芸で生産しているシクラメンの大半は、株を逆さに持っても
そのままの形で手の上に乗っています。(お花屋さんではまねしないで下さい)
品種によっては丈夫でもやわらかいものもありますので、一概には言えませんが。

また葉の数も多いものが良い。
シクラメンの特性として、葉の数だけ花が咲くといいます。
ですから、葉が多ければ多いほど、多くの花が楽しめます。
しかし最近、葉の数が少なくても花が多く咲くというものも増えてきました。
これは生産者のテクニックが成せる技で、お客さんでの見極めは難しいと思います。

次に花の軸が丈夫で花びらの展開が良いもの。
花びらの展開については、好みの問題もありますので何とも言えませが、
花の軸は丈夫なほうが良いと思われます。

そしてつぼみが多いこと。
お店に並んでいる時に咲いている花は、長くても2週間でくすんできます。
その後の花は、その株もとにいて開花を待っているはずです。
できるだけ多くのつぼみが、段々と付いているのが理想です。
株の中心をそっとのぞいて見てください。

最後にそれがお買い得な値段かどうかです。
いくら上の4つを満たしていても、5号鉢が1万円もしたら、良いとは言えないのではないでしょうか?
値段というものは、その人の価値観が大きく左右しますので、
1万円が高いか安いかも、その人次第となります。
しかしどんな商品にも”相場”というものがあります。
あなたは高くて悪いものを買わされていませんか?
こればかりは、お客様自身で色んなお店を見て歩く以外に方法はないでしょう。

今度お花屋さんの前を通るとき、こんなことを気にして見てください。
あなたもシクラメン通になれるでしょう。
ただ良いものか確かめるからといって、シクラメンをくちゃくちゃに荒らさないで下さい。
シクラメンはやさしく扱いましょう。

シクラメンの育て方(かんたん)

--- 置く場所 ----
シクラメンには日の光を当ててください。
場所としては、レースカーテン越しか、ガラス越しの窓ぎわがよいでしょう。
光の届きにくい玄関でも、なるべく日の当たる場所を探してください。
(北向きの部屋、窓の無い部屋は好ましくない)
ただし、いつも同じ方向から光が当たると、花がそちらに向いてしまうので、
1週間に1回くらいは向きを変えてください。

---- 温度管理 ----
5~18℃が適温です。涼しい場所ほど長持ちします。
暖房の効きすぎた部屋には注意が必要です。(室温20℃以上)
特に温風の当たる場所は、シクラメンの寿命をかなり縮めます。

---- 水の与え方 ----
鉢底の水が無くなったら、鉢側面の窓から水をたっぷりと与えてください。
上からはなるべく水をかけないでください。
水を与え忘れてしおれてしまった時だけ、上から水を与えます。
1度では土に水がしみこまないので、鉢が十分に重くなるまで何回も与えてください。
次の朝には元通りになっているはずです。

---- 肥料の与え方 ----
2ヶ月に1~2回、液肥か遅効性の固形肥料を与えてください。
(肥料は園芸店等でシクラメン用とお求め下さい)
2ヶ月ごとの肥料の回数の目安は、室温が15℃前後ある部屋の場合は2回、
室温が10℃以下の部屋の場合は1回です。
肥料を切らさず与えることが、長く花を楽しむコツです。

---- その他の手入れ ----
黄色くなった葉や咲き終わった花は病気の素になります。
他の葉や花への影響を考えて、すぐに取り除いてください。
取るときは、葉、花同様にして根元からきれいに抜き取ります。
コツは、生え際の方向に倒して、軽く回転させながら強く引っ張ります。

---- 次の年も花を咲かせるために ----
12月にお求め頂いたシクラメンは、うまくいけば、4月まで花が楽しめます。
その後は、半日陰で涼しく、湿度の低い場所で管理してください。
水の管理は少なめです。鉢を手で持って軽く感じたら、たっぷりと水を与えてください。
暑すぎず、水を切らさなければ、次の冬には花が咲くでしょう。
ただ、管理状態の違いから、お買い上げのような花数は期待できません。

シクラメンの育て方(どっぷり)

シクラメンの育て方にはいくつかのポイントがあります。
ですが実際は、ひとつのポイントだけでなく、それぞれが複雑に影響を与えます。
(どっぷり)では出来るだけ多くの情報をお伝えしたいので、全てを記すことにしました。
長く複雑で、読みにくい所もあるかと思いますが、がんばって読んでください。

---- 置く場所 ----
シクラメンを置く場所を選ぶときは、次の2つのことについて考えてください。

1つめは日の光が当たるかどうかです。
シクラメンは日の光を好む植物です。日光が当たる場所に置いてください。
ガラス越し、レースのカーテン越しでもかまいません。
北向きの部屋に置く場合は、その中でも一番明るい場所を選んでください。
日の光に当たらないと成長が止まってしまいます。

2つ目は動かしても良いかです。
結果から言えば、動かしたほうが良いでしょう。ただし、やたらに動かすのは問題です。
小関園芸ではシクラメンを温室で育てます。
生産しているわけですから、温室は出来るだけ多くの日光を取り込めるよう設計されています。
ですが一般の家庭の場合、日の光は良くて2方向からしか当たりません。
シクラメンは日光の方向を感じて傾きますので、回転させるのは良いことです。

ただ置く場所を選ぶとき、光の当たり方だけを考えてはいけません。
その場所の温度(室温)も大きく関わってくるのです。
そのことを次の”温度管理”で詳しく説明します。

---- 温度管理 ----
シクラメンを育てるのに適した温度を説明するのは、実際にとても難しいことです。
小関園芸が推奨する温度は5~18℃です。
しかし色々な本やホームページで見てみると、その温度は様々で、
まとめると3~23℃となり、とてもいいかげんなデータになってしまいます。
そこで、それぞれの温度域でシクラメンがどのように反応するかを説明します。

まず20℃以上の高温下ではどうなるでしょう?
一般の家庭の場合、日の光が不足し、また成長がとても旺盛になり、肥料の消費が激しくなります。
その結果花が伸びたり、葉が黄色くなって伸びたりし、たまにぐったりします。
小関園芸のハウスでは、温度を16~18℃にしていますし、輸送中やお花屋さんでもそれほど
高温にはしてありませんので、シクラメンにとっては悪い環境です。
特に部屋の高い場所や(空気は上に行くほど高温になる)、暖房器具からの温風が
当たるような場所は控えてください。

次に3℃以下の低温下ではどうでしょう?
寒さに強いシクラメンといえど、寒すぎます。
まず花が凍ります。しばらく凍った花を適温で復活させても、花にキズが残ってしまいます。
低温が長く続くと、葉そして株全体が凍ります。
凍った状態ではそのままなのですが、適温に戻した時には枯れてしまいます。
輸送中の一瞬であれば構いませんが、長時間低温にさらすことはやめてください。

このことより、適温は5~18℃です。
何度も言いますが、この値はあくまで小関園芸の推奨値です。シクラメンは他の要因とも
複雑に関係しますのでご了承下さい。
さてこの温度ですが、温度が低いほど長持ちします。
温度が5℃の場合、シクラメンは殆ど生長しません。かといって枯れもしません。
その状態をキープし続ける状態がこの温度です。
もちろんほんの少しは成長しますので、光、水や肥料は必要です。
温度を徐々に上げることによって、シクラメンは生長のスピードも上げていきます。
その分光や肥料が必要になってきます。
冬の時期は特に空気が乾燥していますので、温度が高ければそれだけ水も必要とします。
その水について次に説明します。

---- 水の与え方 ----
シクラメンの水やりは、今は殆ど鉢の底にあるスペースに水をためて置いておく
底面吸水システムとなっています。
(底面吸水システムについては”シクラメンについて(どっぷり)”の中の説明を参照)
最近ではシクラメンに限らずこのシステムが使用されるようになってきました。
小関園芸でもストレプトカーパス、フユサンゴやサンユウカにこのシステムを使用しています。

ですから水やりの時は、鉢側面の窓から水を与えてください。
常に底から2cm程水が溜まっている状態がベストです。
ただ長い間外出する時などは、底のスペースいっぱいまで水を入れても構いません。

上から水をかける事は避けて下さい。病気が発生する可能性があります。
特に鉢の土に与えるのでなく、葉に直接かかるように与えるのは良くありません。
ただし絶対ではありません。
暖房の効いた冬の室内では、しばしば湿度がとても低くなります。
温度が低ければ良いのですが、温度が高い場合は害の出る可能性があります。
1~2週間に1回程度なら上から水を与えても構いません。
また霧吹きの水をたまに与えるのもよいでしょう。

よくある質問ですが、水を与え忘れてしおれてしまった時の管理方法です。
本やHP、あるいはテレビでも色々な方法を説明していますが、
こちらも小関園芸のオリジナルで説明します。
しおれてしまった場合はまず、シクラメンの鉢からカバー(水を貯める部分)を
取り外して下さい。
流しなどにシクラメンを持って行き、鉢土の上に何度もたっぷり水を与えてください。
普通約5分おきに3回繰り返すと良いでしょう。
1回では土に水が十分しみこまないので、鉢が重くなるまで繰り返しましょう。
鉢が重くなったら、先程取り外したカバーをもう一度装着して、
(その際窓の部分が合うように気を付けてください)
まどからもたっぷり水を与えて下さい。
次の朝にはほとんど元通りになっているでしょう。
ただししおれる状態にもよります。ひどすぎる場合はいくつかの花や葉が枯れたり、
最悪の場合は元に戻らなくなることもあります。
なるべく忘れずに水を与えてください。

---- 肥料の与え方 ----
2ヶ月に1~2回、液肥か遅効性の固形肥料を与えてください。
(肥料は園芸店等でシクラメン用とお求め下さい)
2ヶ月ごとの肥料の回数の目安は、室温が15℃前後ある部屋の場合は2回、
室温が10℃以下の部屋の場合は1回です。
肥料を切らさず与えることが、長く花を楽しむコツです。

---- その他の手入れ ----
黄色くなった葉や咲き終わった花は病気の素になります。
他の葉や花への影響を考えて、すぐに取り除いてください。
取るときは、葉、花同様にして根元からきれいに抜き取ります。
コツは、生え際の方向に倒して、軽く回転させながら強く引っ張ります。

文章で書くととても難しいので、写真付きの説明をします。

お手入れ-基本 を見て下さい!

---- 次の年も花を咲かせるために ----
12月にお求め頂いたシクラメンは、うまくいけば、4月~5月頃まで花が楽しめます。
その後は、半日陰で涼しく、湿度の低い場所で管理してください。

その後の管理-夏越し-の説明をします。

夏越しには2通りの方法があります。

①休眠させる
 休眠とは、読んで字のごとく休んで眠ってもらいます。
シクラメンは暑くなると眠りやすくなる特性があります。
休眠中、シクラメンは水や肥料を欲しがりませんが、葉も花も落として、
球根だけの状態になります。

まず休眠させるには?
水を徐々に控えて、最後は完全に止めてしまいます。
そうするとシクラメンは、球根内部に貯えた水分だけで涼しくなるのを待ちます。

水を控えていく時当然今までの葉は枯れてしまいます。
気にせず取り除き、”丸坊主”状態まで枯らしていきます。

9月頃、ちょっと涼しくなってくると新しく芽が出てきます。

そうしたら水を少しずつ与えていきます。

注意するところですが、水を控えていく時も与えていく時も”ゆっくり”行うことです。

急激に水を控えると、単純に枯れます。球根も”眠り”でなく”死”に至ります。

急激に水を与えると、腐ります。球根も腐ってやわらかくなってしまいます。

葉の枚数、用土の乾き方に応じて水やりをコントロールして下さい。

②そのままの姿で夏越し
 休眠させない方法で、今まで通りの管理をします。
ただ、今までと同じ場所では枯れる可能性が高くなります。

一番良いのは、庭の木の下にで東側くらいに置いておくことです。

雨が降っても少ししか濡れないような場所で、水を控えます。

日差しは朝少しあたるくらいで、あとは木陰になるところが良いでしょう。

とにかく涼しく、ほんの少しだけ水がかかる環境がベストです。

こちらの方が難しいかもしれませんが、良い場所さえ分かれば簡単かもしれません。

どちらの方法にしても、冬の開花はかなり遅くなります。
良くて年内、遅いときは2月や3月になることもあります。(環境によって違います)

①休眠させるより、②そのままの姿で夏越しの方が開花は早いようです。

開花したときも、お買い上げ時のような揃い、花の数は期待しないでください。
とりあえず”咲いた”だけくらいでしょう。

が、まれにうまく開花し、小関園芸の出荷状態に近い管理をされる方もいます。

埼玉県のYさんのミニシクラメンです。 (2006年2月撮影)

2004年の12月、小関園芸のショッピングでお買い上げ頂きました。

後、2005年の夏を越して、ちゃんと開花しました。

しかもこの株です。

プロ顔負け!! 私も驚きました。

お手入れのアドバイスはしたのですが、ここまで管理される方は珍しいです。

置く場所ももちろん良いのでしょう。

がんばればこんな夏越しシクラメンを、毎年鑑賞出来るかもしれません。

お手入れ-基本

シクラメンお買い上げ後のお手入れの方法を説明します。

基本はまず、よくある”枯れた花や葉っぱはきれいに取り除く”です。

どんな花や葉っぱを取ったら良いのか?

”きれいに”とはどれくらいか?

言葉の曖昧さを写真で紹介します!

枯れかけた花です。 花の寿命がきました。

この花はもう元のきれいな花には戻りません。

そのまま放置すると、花びらがくしゃくしゃになってきます。

湿度が高い場合どろどろになったり、カビが生えたりします。

ですから、これくらいの状態で取り除くのがよいでしょう。

枯れ始めた葉っぱです。 こちらも寿命です。

黄色くなりかけているのが”サイン”です。

この葉っぱも元には戻りませんので、思い切って取り除いてください。

もっとひどくなると、葉っぱ全体(一枚の)が黄色くなったり、茶色、黒褐色と変化します。

こちらも湿度が高い所ではカビが生えたりします。

さて”きれいに”取り除く方法です。

ここで言う”きれいに”とは、株元から茎の部分を残さず取る事です。

○の葉っぱを取り除きます。

軽く右に倒してください。 そのまま右手前に、ちょっと強く引っ張ってください。

「プチッ!」とちぎれたら成功です!

硬くてちぎれなかった場合、今度は左側に倒し、同様にちょっと強く引っ張ってください。

どちらかの方向で簡単にちぎれるはずです。
(まれにどちらでもちぎれない事もあります)

うまく根本からぎちれると、○のように切れた部分が細くなります。

もっと見やすくしました。 こんなイメージです。

こちらは悪い例です。 途中でちぎれました。

途中でちぎれ、右側の短い方をそのままにしておくと、残った茎が腐り、
カビや他の病気になる事があります。 注意! です。

花も葉っぱと同様、茎の根本からちぎります。

花の場合は倒すよりも、根本の方をしっかり持って、真上に勢いよく引くとちぎれやすいです。

こちらも悪い例です。

花を咲いたところのすぐ下で切ってしまいました。

葉っぱ同様、残った茎が腐ってしまう事もあります。

まずは必要のない花や葉っぱを取り除く。 これが基本です。

この作業をすることによって、見た目がよくなるのはもちろんですが、

病気の発生を抑えたり、余分な栄養分をいらない花や葉っぱにつかわなくなり、

結果他の良い花や葉っぱがより良い状態になります。

この後には、お手入れの上級テクニック”葉組み”について説明があります。

こちらは難しいので、何度も読んで、何度もあなたのシクラメンで試してみて下さい!

お手入れ-葉組みをしよう! ①

お手入れの上級テクニック”葉組み(はぐみ)”です。

この項はその①。②ではこの①での基本技が必要になりますので、良く読んでください。

シクラメンの事を書いた園芸の本、シクラメンについてのサイトを見ても
この”葉組み”という言葉が出てきます。

シクラメン作りにかかせない作業”葉組み”

シクラメン生産者ならほとんどが行う作業”葉組み”。(ガーデニング用シクラメン除く)

シクラメンの出来を左右してしまう作業”葉組み”

”葉組み”を説明しているサイト(本)もありますが、説明するのがとても難しい内容なので、
消費者が理解出来ているのか疑問に思います。

みなさんにもしっかり理解していただいて、きれいなシクラメンを長くたのしんでもらいたい、
その思いから

”葉組みをしよう!”

という、とてもマニアックな項を作りました。

さて”その1”ですが、花が咲く前の”葉組み”です。

まず基礎講座です。

”葉組み”作業の理由を簡単に説明します。

ひとつは”株の真ん中を空けて花を中心に持ってくる事”です。

お店で見かけるシクラメン。 こんな風に真ん中から花が咲いています。
高価なものは株がドーム形になっていて、その中央からそろって花が上がっています。

じつはこれ、半分は人工的に作られた形なのです。

シクラメンの”夏越し”をしたことがある人は分かると思いますが、
何も手入れせず育てていくと、

こんな感じに葉っぱとツボミが一緒に出てきます。

これをそのままにしておくと…

こんな感じに花が色んな所から出てきます。

正確には花だけが出てくる訳でなく、葉っぱも真ん中から出てくるからこうなるのです。

咲く前の肥料コントロールで花を中央に集める事も出来ますが、プロだけの技になります。

こんな咲き方も自然といえば自然なので、最近は良いという人もいますが、
真ん中に集まっていた方がきれいに見えるという意見が一般的です。
(価値観の違いでしょうか…)

手をかけないと、こんな風に花は咲きません。
これが1つ目。

2つ目は、株の真ん中を空け光をツボミに当てます。
そうすると元気な花が咲きます。

3つ目は、真ん中を空ける際に葉の茂り方を整える事です。
花が揃っていても、葉がバラバラでは不格好になってしまいます。

この3つが揃って、しかも丈夫で長持ちするシクラメンが、
”良いシクラメン”と呼べるのです。

実際にやってみましょう!

株の中心部分(○のところ)を空けていきます。

真ん中にある葉っぱを移動させるのですが、

まずはこのような、新しい葉っぱを移動させます。

中心にあるものは、たいていこのような葉っぱです。

古い葉っぱはこんな色、形をしています。
触った感じもゴワゴワしています。

この古い葉っぱは、後で移動させます。

移動する前に、中心からこのように手で株を広げてみます。

よく見てみると、の部分の葉っぱ同士が(たまに花とも)交差しています。

交差していると、上に乗っている葉はどうしても上に向いてしまいます。

交差しないように動かすのがポイントです。

ためしに

この場所でやってみます。

交差している一番上の葉を

 

 

と、移動し、さらに

 

 

このように一番下まで移動させます。

一番下まで移動する時、せっかく交差を外したのに他の葉っぱ(花)に
再び交差させないように、生え際に沿って行うのがポイントです。

この作業を、交差している葉っぱがなくなるまで繰り返します。

大輪系のシクラメンでしたら、葉の数がそれほど多くなく、茎も太くて丈夫なので、
よほどの大株でない限りそこまで大変ではないでしょう。

ただ”ミニシクラメン”のように葉の数が多い品種に関しては、移動の回数が増えるので
大変でしょう。

特に”ミニシクラメン”の6号鉢のように、株がかなり大きいものを”葉組み”する場合は、
かなり”気合い”を入れて行ってください。

初心者だと30分くらいかかるかもしれません。

さて出来ました。 ほとんど交差する葉は見あたりません。

 

以前の様子と比べてみます。
左が処理後、右が処理前です。

ずいぶん葉っぱによって隠されていたツボミが出現しました。

ほんとうなら、ツボミがもっと小さいうちに行いましょう。

今回は写真を撮り忘れたので、ツボミが大きくなったもので行いました。

移動はしたのですが、どうもきれいに見えません。

この部分の葉っぱがちょっと目障りです。

この葉っぱを放っておくと、2~3日で真ん中に戻ってしまい
ツボミをかくしてしまいます。

せっかくの葉組みの意味が無くなってしまいます。

そこで、この葉っぱをさらに移動させます。

 

 

さっきと同じ方法で、生え際に沿って移動させていきます。

 

最初に移動した葉っぱは新しいものだったので、たいていは古い葉っぱが上に残ります。

この古い葉っぱを移動させていくのです。

下まで来た葉っぱは、このようにさらに下に引っ張ります。

ちょうど鉢を巻き込むようにして下さい。

完成です!

あれだけバラバラだったツボミが揃って見えます。

葉っぱも何となく整って見えます。

この葉っぱも、2~3日したらより整って、きれいになります。

 

 

比較してみます。
左が葉組み後、真ん中は途中、右は葉組み前です。

何度も言いますが、葉組みしたすぐ後はちょっとくずれて見えます。
ですが2~3日するとだんだん整ってきて、
1週間後には花と葉っぱがちゃんと分かれているように見えます。

その後ですが、ツボミは開花に向かいます。

それと同時に、葉っぱの子供も成育してきますので、
さらに新しい葉っぱが花の周りを埋め始めるでしょう。

「せっかく葉組みしたのに戻ってしまった!」
わけではなく、生育した証です。
(しっかりと葉組みした場合に限りますが…)

温度や肥料の状態によって違いますが、花が満開になる頃には
次のツボミが横から出たり、新しい葉っぱが中心から出たりします。

その時はもう一度葉組みをするのですが、その方法はお手入れ-葉組みをしよう!②で紹介します。

お手入れ-葉組みをしよう! ②

お手入れの上級テクニック”葉組み(はぐみ)”の②です。

この項は”お手入れ-基本”、”お手入れ-葉組みをしよう!①”での基本技が必要になりますので、
まだそちらを読んでいない人はまず”お手入れ-基本””お手入れ-葉組みをしよう!①”を読んでください。

開始する状態はこんな感じです。

手入れがされてなく、花が色んな所から出てきています。

「これはこれで良い」という人もいるかもしれませんが、基本的な形には遠いようです。

お客様がお買い上げ後、1ヶ月とかするとこうなることが多いようです。

ですから、その①よりも実践向きかもしれません。

話がそれました。

こんな状態からする作業とは、
・花は中心に。
・葉っぱは外側に

です。

こんな下から出ている花を上の方に持っていきます。

株元を見てみると、どれが花の茎でどれが葉っぱの茎だか分かりにくいようです。

今回は○の花を上に持っていきます。

その①のテクニック通り、この花を他の茎と絡まないように。

よいしょ! 移動します。

○のツボミは完全に葉っぱの茎の下にかくれています。

このツボミも同様に上の方へ移動させます。

一通り終わりました。

花、ツボミは全て真ん中に寄りました。

でも葉っぱが何かバラバラです。

これはその①のテクニックで、外側に持っていきます。

そうすると…

 

完成です! 右側は作業前、左側は作業後です。

まったく別物に見えます。

時間をかけてやった作業なので、きれいになると気持ちがよいです。

そしてさらに日をおくと、葉っぱの向きも揃い、花もしゃんとしています。

きれいになったシクラメンは、より美しく感じられます。

植物は手をかければかけるほど、それに答えて良くなります。

愛着があれば、可愛がってあげられます。

その方法さえ間違えなければ、”可愛がりすぎ”はないでしょう。

こんな作業をしながら、お楽しみ下さい。!

思い入れ

シクラメンをお花屋さん、園芸店やホームセンター等で見かけることは、冬の時期なら良くあることだと思います。

そのときあなたは、”値段が高い花だなー”と思ったことはありませんか?

シクラメンは蘭や観葉植物と違い、草花の類に入ります。こんなに有名で、こんなに高価な草花は
他にはないと思います。

現在でこそ、その値段はかなり下がってきましたが、数年前までは1000円以上はあたりまえの花でした。
なぜでしょう?

それは、シクラメンは日本では作るのがとても難しい花だからだと私は思います。

今花屋さんに出回っているシクラメンの元は、ヨーロッパにて品種改良されていました。
ヨーロッパの国々の気候は、シクラメン作りにとても適していて、良いシクラメンがわりと簡単に作れます。
しかもヨーロッパの国々では、シクラメンを年末に楽しむ、送るといった習慣がなく、ほぼ年中出回っています。

ヨーロッパでは、シクラメンは特別な花ではなく、一般の草花なのです。

ところが日本では、いつからかシクラメンは年末の花として定着しました。

しかも日本の平地は、シクラメン作りにはあまり適していない気候なのです。
シクラメンは暑さには弱いのです。 だから”産地”と呼ばれる地域がわりと中山間地に多いのです。

それでも私たち生産者は、シクラメンの魅力のどこかにひかれて作ります。

作るのに難しい、言い換えれば良くないものが出来てしまう確立が高いということになります。

種まきから出荷までの期間は約1年間。手間もとてもかかります。

値段は高いのですが、経費も高い、だからシクラメンは高価になってしまうのです。

小関園芸では約20品目の植物を生産、出荷していますが(2007年現在)、いちばん気を使う植物はシクラメンです。

シクラメンを生産して約25年になります。こんな景気低迷の時代に、利益が少なくリスクの高い
シクラメンをつくるのは、矛盾しているようにも思えますが、それでもまた来年も作るでしょう。
”来年こそはもっと良いシクラメンを作ろう!”そう思わせる魅力がシクラメンにはあるように思います。

シクラメンはとても長く楽しめる花です。12月に出荷したシクラメンを、翌年の4月頃まで花を楽しみながら
育てられたお客様の話をよく聞きます。お客様は楽しそうにその話をしてくださいます。

シクラメンは、
見た目だけでなく、お客様の家で長く楽しんでいただける花
だからこそ、思い入れも深くなるのです。